十国峠 日金山から下山

熱海から元箱根行のバスで十国峠へ
ケーブルで山頂に登る

この日は春の霞に富士山は隠れ
薄曇りの中に太陽が柔らかく照らす

伊豆山神社のもともとの場所は山の上
今は真言宗日金山東光寺

一度は訪れてみたいと思っていた聖域
松葉、木生、金地の三仙人の塚に守られる

地蔵尊を本仏としたのは末代上人
富士山で修行を重ねた聖者

静かにたたずむ異界
伊豆に縁のある魂が集う場所だともいう

今は僧も常駐しない由緒ある寺
来るものを見定める気を感じる

そして、温かく見守る
穏やかな世界

地蔵尊に包まれて石仏も天地に帰る

ここは標高770メートル
長野あたりだとリンゴが美味しく実る高さ

場所が変われば、趣も違う
あまり背の高くない木々が道を覆う

伊豆山や来宮から登ってきた修行僧
十国峠の頂上で富士を祈ったに違いない

そしてこの地は箱根周辺とも同じ
大磯(唐地)とも関係が深い

異国の文化や技術をもたらした帰化人
高句麗や唐の人々が開拓してきた地域

笹の道を通りながら風にそよぎ
はるか彼方と過去と未来を見つめただろう

本当はケーブルカーの往復券を買っていた
ここに来たら海まで歩いて下りてみたくなった

峠越えの片道ハイキング

岩戸山の頂上付近でひと休憩
大地に寝転びながら空を仰ぐ

見渡せばゴルフ場のような見晴らし
素敵な樹木も立っている

黄色い花
青紫の花

春の喜びの草花
海風と山風

来てよかった

岩戸山の頂上でベンチに座る
自撮りした後に、先を急ぐ

けっこう大変なハイキング

いったいどれくらいの距離を歩いたのだろう
岩戸山を下りて七尾を進む

紅白の八重桜
舞う花弁はさくら吹雪

道を駆け降りる花弁と一緒に歩く
どう考えても彼女らの方が元気で楽しそう

疲れ切ったわたし
途中でバスに乗ることもできたが・・・・意地

紅の桜に応援されて、ようやく伊豆山神社

境内では生まれたての楓の葉
うす黄緑のうぶが下界の春を喜ぶ

春の十国峠
ありがとうハイキング

登って、下って、往復した昔
これは大変な旅だったはず

まさに修行の地
わたしは下りだけで、へたりました(笑)