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飛騨一之宮 式年例大祭

飛騨(飛州)の一之宮は水無神社
57年ぶりに飛騨中の神霊が式年例大祭に集った

JR高山線の駅舎は山間の静かなホーム
たまに来る各駅停車を待つ人もまばらだ

臥竜さくらの華やぎも終わり
街道には祭りを迎える民家に赤いばんがら笠

地域の子供たちもこの日を祝う

この日、宮入りした神輿を待つ人々
奉納の舞も行われ、境内は活気に満ちる

むかし衣装に身を包み
丸い藁の笠を頭に乗せる

着物の文様を見ているだけで楽しい
肩から下がる太い網縄は馬の尾なのだろうか

午後2時過ぎに宮から出て街道を巡る神輿
白川神社を皮切りに、古川の気多神社へと続く

3日から6日の間に各地の神輿が同じように
街道を巡り、宮入り、宮出しを行う

わたしはこの日(5月3日)、下呂にとんぼ返りのため
バスの時刻に間に合うように2時間ほどの祭り参加

地域の誇りと喜び
それは子供たちにも引き継がれた

各地の神輿を迎える鳳凰(朱雀)が描かれた衣装
ご神体の位山に向かって男衆がリズムを刻む

普段は人気の少ない一之宮
この日ばかりは祝いの衆で陽気に満ちた

位山、白山、乗鞍、穂高、御嶽
日本の山の気が融和する神奈備の里

強い光線、輝く太陽に照らされて
人も、国も、安寧を祈る

バランスのとれた大きな自然の気
飛騨とはそんなところだと感じる

飛騨の国 下呂温泉の春

日本三銘湯といえば、有馬、草津、そして下呂
全国に名をとどろかせる飛騨の湯島の下呂温泉

透き通り、さらさらした、優しい湯質は、美人の湯

4月も半ばを過ぎると、飛騨川のほとり、下呂富士の麓にも春
朝晩はまだ暖房が必要だが、桜盛りに、若葉も芽吹く

白川郷から一部移転した合掌造りの家屋
下呂温泉合掌村として春の来客をもてなす

苔むす茅葺の緑も濃くなってきた

山桜は満開で風にそよぐ
ひらひらとよろこびを里に放つ

街を見渡せる高台
のんびと、ゆったりと、時は流れる

飛騨の里山に抱かれて、わたし
水の音、風の音、鳥の声
ここち良い春の山に、陽も隠れ始める

翌日訪れた「いでゆ朝市」
くつろいだ湯治客は地元産のお土産を楽しむ

焼きたての「とちの実せんべい」
岐阜の山から買い取っる栃の実(マロニエ)

ほんのり甘く、香ばしい
下呂の名産品のひとつ

わたしのお気に入り

飛騨一之宮 水無神社

飛騨に入って数日後
一之宮として郷を守る水無神社

JR高山線は数少ない各駅停車が一日に数本
高山と下呂を結ぶ飛濃バスは一時間におよそ一本
飛騨一之宮に向かうには時刻表と睨めっこ

駅やバス停からほど近い宮
連休には57年ぶりに盛大な例大祭が開かれる
(5月3日から5月6日)

周辺に水が豊富なのに水無とは・・・
川が地盤の下にもぐり込み見えなくなっていた
そんな理由からこの名がついたようだ

名前はともかく、水を成す、水が生まれる聖域
その奥宮は伝説の位山(くらいやま)だ

飛騨の一之宮のご神体が位山

この日はまだ4月の中旬
宮川が生まれる位山には残雪が見える

美しき水の流れに、わが心もせせらぐ
人の通らぬ土手沿いの道に寝転んで空を仰ぐ

高山からバスで15分
下呂からバスで1時間

日本の東と西を分ける分岐の地域
昔道は京にも、江戸にも通じる

飛騨北部と南部の境界
北に流れる宮川と南に流れる飛騨川
その分水界が位山

歴代天皇が即位されるとき
位山のいちいの木で作られる笏(しゃく)が献上される

日本の一の位を授かる象徴が位山いちいの木の笏
日本の太陽の象徴に位がもたらされる

農村を歩くと大きな桜に花見小屋
満開の時期には宴が催されるのだろう

とっても贅沢な飛騨のお花見だ