古びた赤茶の椅子を高台に置いた。
朝の太陽を見つめてただ座る。
隣にはこじんまりと整備された畑。
白い蝶は寄り添って空を舞う。
小鳥が時折、私に興味を持ってさえずる。
朝日は天城の山から昇る。
夕日は達磨山、金冠山の彼方に眠る。
私の描いたひとつの理想郷がここにある。
三島に近く、駿河湾にも近い修善寺。
谷あいの湧き湯に今は和む。
始まりは空海(弘法大師)
今は禅宗に落ち着く修禅寺。
いくつもの赤い橋が願いをかなえる。
竹林の小径に静かな風が吹く。
温泉街からひと山登ると梅の里。
さらにバスで20分ほどで達磨山の登山口。
金冠山から達磨山。
笹の中の遊歩道。
駿河湾の港は戸田、大瀬。
雲が晴れれば富士山、箱根も一望できる。
海底火山が隆起。
移動をしながら日本本土に接続して伊豆をつくる。
100万年のはじまりは達磨山。
修善寺は果てしない時を経て谷となった街。
もう山茶花(さざんか)が咲き始めた。
紅葉と、落ち葉と、赤い花。
秋も、冬も、春も共存する温かな中伊豆。
奥の院には穏やかな水神。
滝と水の聖域でもある。